解る境界(簡単に解説すると)      


土地の境界について土地所有者管理者に分かりやすく書いています



【標準化された作業データは正規分布に従う】

「標準化された作業の元で得られたデータ」 は正規分布に従う。標準化とは使う機器,作業手順などを元に一定レベル以上の熟練者が作業した結果から得られたデータであることが求められます。

統計学を学習して実際にデータを取ると「正規分布になってないじゃないか!」となることが多いはずです,これは標準化された作業の元で得られたデータでないからです。

 測量データは「標準化された測量作業の元で得られたデータ」 なので正規分布に従います。

同じ場所を測量し過去に作成された境界を示す測量図(旧図)とその後に測量された測量図(新図)を重ねると100%一致しません。

この一致しない差を較差(一般的には誤差という方が多いのですが誤差は真の値との差ですから較差が正しい)といいこの較差が正規分布になります。


【測量データとはなにか】


 測量するには資格が必要で資格には測量士,測量士を補助する測量士捕がありこの資格は国土交通省の管轄になります,土地家屋調査士も測量する資格で法務省が管轄です,測量のレベルは測量士捕程度の知識技能が必要で土地家屋調査士を補助する補助者がおりますが資格はいりません。

測量には基準点測量,路線測量,用地測量など様々な測量がありますが土地の境界を測る測量を地積測量と言っています。

 地籍測量の目的は土地登記のために必要な地目の調査や 境界 , 地積 (水平面上に投影した土地の面積) の測量です,境界に関係する測量データで重要なのは境界,地籍,地目の順番になります。

土地の境界にも様々ありますがここでは国が定めた土地と土地の境について考えます,法律では不動産登記法により定められている境界(法律では筆界と言っています)となります,境界の管轄は法務局(以前は登記所といっていました)です。

境界が分からないとか隣地と境界と認識している位置が一致しないと「法務局に行けば地図(境界が書かれた図面)ある」そして「地図を基に現地に境界を明示(境界を現地に示すこと)できる」と思っている土地所有者の方が意外と多いですが必ずしもすべてにあるわけではありません。

ほとんどの場合図面はあります,法務局が保管する地図には公図(和紙公図),地図に準ずる図面,法17条地図,地積測量図等があります,それらの図面を使って境界を明示(境界標などで示すこと)できるかといえばできます,しかし法務局ではしてくれません,事務手続き上の問題なのか技術上の問題なのかわかりませんができません,土地所有者が自分でするしかありません。

土地所有者が「境界の位置を示した測量データ」を使って現地に境界を明示するのですが実際には時間的にも技術的にできませんので土地家屋調査士という資格者に依頼することになります。中には土地家屋調査士は技術的に信頼できないので測量士に依頼する方もいます,測量士は登記申請の代理人にはなれないのでこの点を踏まえて依頼することです。

過去に作成された境界を示す図面とその後に測量された図面(現在の状況で境界標等の状況を表す図面,現況測量図ともいう)の境界の位置を重ねると100%一致しません。

この一致しない差を較差(一般的には誤差という方が多いのですが誤差は真の値との差ですから較差が正しい)といいこの較差が様々な計算の基となる測量データになります。

この「境界の位置を示した測量データ」が正規分布になります,測量データのどの値が正規分布になるのかは別途説明します。


【境界と筆界は同じこと】


 土地の境界についての説明を受けると必ず境界と筆界という単語が出てきます,これについて説明しておきます。境界と筆界は同じことを言っています。

土地の境界を定義した法律(不動産登記法123条)では筆界と定義しています,定義は平成16年(2004年)に制定されましたのでそれ以前は混同して使われていましたが今(今は令和5年〔2023年〕です)でも混同されています。

土地所有者,弁護士,裁判官は境界といい登記業務関わる専門家(土地家屋調査士,登記官など)の間では筆界といいます。

道路との境は道路区域界もあれば境界の事もあります,隣地との境も占有界,借地境界などあります。ですから,土地の境を話し合う時,あるいは説明を聞くときになんの境を言っているのかはっきりと認識して聞くことが大事です。

とはいいましても,それができていればこの境界争いは複雑にならなかっただろうに・・・と思うことが多いことも確かです。

【法律から見た境界(筆界)】

不動産登記法123条1項により定められている境界(法律では筆界と言っています)となります,境界の管轄は法務局(以前は登記所といっていました)です。

「不動産登記法123条1項  筆界とは 表題登記がある一筆の土地(以下単に「一筆の土地」という。)とこれに隣接する他の土地(表題登記がない土地を含む。以下同じ。)との間において、当該一筆の土地が登記された時にその境を構成するものとされた二以上の点及びこれらを結ぶ直線をいう」

ここで重要なのは「当該一筆の土地が登記された時」という箇所です。土地の境界は過去において決められているものであり,当事者が話し合いで決めるものではありませんが〜〜〜〜。

不動産登記には不動産の表示に関する登記と権利に関する登記があり権利に関する登記は、明治20年の登記法の施行から始まり現在に至っています。

表示に関する登記は、昭和35年、不動産登記法の改正によって創設されました。それ以前は明治20年の土地台帳規則に基づき作成された土地台帳が現在でいう表題の登記(不動産登記簿の表題部)にあたります,このときに土地台帳附属地図が調整されました。

この地図は明治6年から明治11年頃に実施された地租改正事業によって作成された地租改正地引絵図と明治18年から22年頃に実施された地押調査事業によって作成された地押調査更正図がもとになっています。

字図(地租改正地引絵図,地押調査更正図という)をもとに字図から土地台帳附属地図として字図を筆写し作成されました,これを一般的には公図とか和紙公図ということが多いです。字が広大な場合は複数に分割して作製されたものもあります,地租改正地引絵図,地押調査更正図をそのまま土地台帳附属地図としているところもあります。

土地台帳附属地図は昭和35年の不動産登記法の改正によって法務局(登記所)に移管されました。

この経緯から「当該一筆の土地が登記された時」とは明治20年までさかのぼり,さらに土地の境界を表す図面は明治期(明示6年から明治11年頃,明治20年頃)に地租改正事業、全国地押調査事業によって作成された字図(地租改正地引絵図,地押調査更正図という)ということになります。

その後区画整理,耕地整理,土地改良などによって作成された公図,法17条地図などもあります,いずれにしてもその境界が初めて創設された時に作成された図面が基になります。